2009年11月1日

Listening HD448



グラフ通り印象を受けます。
100Hz以下はダラ下がりで重低音はさっぱり。
でもそれ以上の帯域の低音はレスポンスに優れ非常にタイト。
いわゆる"締まっていて質の良い低音"
ちなみにキックやバスドラなどは150~300Hzくらいなので
リズム音帯域のアタック感や量感についてはまったく心配ありません。
ほとんどの人にとっては十分といえるでしょう。
しかしながら、もしあなたが低音好きを自認しているのなら
多少なりとも不足を感じる可能性が高いです。

2kHzまではフラット気味で中域は明瞭。
ボーカルや弦楽器の透明性が高い。
5kHz付近は意図的に抑え込まれています。
これは他のヘッドホンと比べても顕著で
歯擦音の存在がほとんど感じられないほどに丸め込まれています。

10kHz辺りもやや少なめではありますが
金属音らしさはそれなりに保たれています。

耳障りな音を上手く取り除きつつも、音楽の抑揚は失っていません。

このプライスレンジにしてはかなり高性能に思えます。
音の解像度や定位、またレスポンスなどをとってみても不満が感じられません。

特に音像と定位の良さには軽く驚愕したくらい。
とにかく音の出どころが明確でしかもブレがない。

また密閉型を使っているという実感はありつつも閉塞感はほとんどありません。
普段は開放型ばかりの自分でも数秒聴けば違和感がなくなるくらい。
上でも書いたけど、やっぱり音の透明性の高さがそう感じさせてるように思う。

押し出しや音圧は弱くはないが強くもないので
終始パワーで押すような音楽、たとえばアップリフティングトランス、
へヴィロック、ヘヴィメタルなどにはあまり適していません。

ただこれまでのヘッドホン使用暦によってはHD448でも
それほど(またはほとんど)不足を感じないと言える位には
楽しめる程度ではあります。

押し出しもただ強ければいいというものではありません。
HD448はバランスは、たとえばリバーブのかかったボーカルや
生楽器のソロを空間的に聴かせることを得意としているともいえます。

HD448は"Very, very good, well balanced sound."の評のとおり
多くのソースに適合した優れたヘッドホンです。

:D
・ニュートラル
・中域の透明感が高い
・低音は締まりとレスポンスに優れる
・繊細さとノリの良さを両立している
・耳障りな音を避けながらも高いディテールを維持している
・定位などの基本性能が高い
・装着感が良い(適度なホールド力)

:|
・迫力志向には物足りない低音
・イヤカップは大柄の欧米人には少し小さいらしい
→耳がかなり大きい人は要試着

:(
・なし

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ぶっちゃけ8,000円でこれだけの音が手に入ることに驚きました :P
最近はこの価格帯に縁がなかったので
もしかしたら他も同レベルなのかもしれませんけど :(
でも諭吉1枚で一台だけ選ぶとしたらHD448はかなりお勧め。

ボーカルかバイオリンのソロを聴くと納得できるかも?:D

それとHe&Biさんのところのレビューを見た限りでは
CreativeのAurvana Live!が競合機種になりそうな気がする。

2009年10月31日

秋のヘッドフォン祭2009

ヘッドフォン祭りに行ってきました。

Beyer T1は長蛇の試聴待ち行列に萎え、Fostexの黒漆ホンは参考出品で聴けずとヘッドホンについては消化不良に終わりました:(
逆にヘッドホンアンプはゆったりと試聴できたうえに、社員の方の話も聞けて有意義でした。会場内の雰囲気なんかは別のブログなどで見られるでしょうし、ここではアンプのインプレだけ書いておきますね:P


1.インプレ

Intercity インターシティ
MBA-1、MSA-1共に基本的な音作りは同じ。
どちらもナチュラルで柔らかめ。音像は大きめで頭の中を音で満たす感じ。
その割には定位、音の分離もよく性能の高さを感じる。HD-1Lのインプレでたまに見かける、ともすればBGM的な音というのは感じられず、アクティブに聴き込むにも十分な懐の深さを兼ね備えてる。ただMBA-1に比べると、MSA-1はやや音が薄かった。繊細といえば聞こえはいいのかも知れないけど、自分としては単にダウングレードした音にしか思えなかった。インターシティさんの社長さんいわく、MBA-1には相当自信がありこれは現在のリファンレス。MSA-1もこれから徐々に煮詰めていって最終的にはMBA-1と同じ音を作りたい、とのことでした。

ただ追記しておきたいのは、またまた社長さんいわく、私(筆者)が両機に大きな差異を感じた原因としてもう一つ考えられるのは、上流のDACの性能が不足しているということもある。MSA-1の開発はdCSなんかのハイエンド機で行われたためそれが裏目に出たかもしれない、と言ってました。

とはいっても、MSA-1とMBA-1では5万円強の価格差がありますし、今後のバージョンアップを期待しつつ今のMSA-1を楽しむというのも十分考えられる選択肢ではないでしょうか。気になる購入後の改造費用も、変更規模によりますが概ね6千円から2万円強くらいだそうでそれほど大きな出費にはならないようです。ちなみにMSA-1のフェイスプレートをブラックに変更できるオプションがあるんですが、直販ではなんと無料でやってくれるそうです。直販でkae。

また今回はMBA-1のバリエーションモデルとして、アルプスのハイエンドボリューム RK50 4連を搭載し、さらに電源ユニットをよりパワーアップさせたキングオブMBA-1、その名もMBA-1 Platinumが販売されるようです。直販価格は33万円くらい。金が有り余ってるインターシティファンは一機いっときましょう:)

Glasstone グラストーン
HPA-20を聴きました。
ナチュラルでニュートラルでモニターライクな音。
聴いてすぐに音質の良さを感じる。音像と背景の分離がしっかりしていて脳内に空間を作ったうえで音を浮かび上がらせる音作り。音は硬くも柔らかくもないし、薄くもなければ濃くもない。しっかりと適度な響きを持ち合わせているので楽器には生気があるし、ボーカルが声を張り上げる際の迫力と爽快感はかなり魅力的。定位や重なった音の分離などはインターシティと同レベルか。鳴り方は根本的に異なりますが、どちらも不満を生むレベルではありません。音のモニターにも使えるけど、どちらかといえば音楽のモニターに相応しい。個人的には今まで聴いた中で最も汎用性の高い音作りだと思います。電子音も生楽器も、シリアスにもまったりにも適合した希有なアンプかもしれません。

ただこれもMSA-1などと同じように上流の影響が大きい上にモニターライクな音作りというのもあって、組み合わせによっては真逆の感想になることもありえます。どこまでモニターライクなのかは、実際にいくつかのパターンで聴いてみないと分からないというのが正直なところです。

ちなみにHPA-20もリニューアルが予定されているようです。構想ではケースサイズの縮小と低価格化を目指しているとのこと。発売時期は年末辺りが理想だが詳しいところは未定。リニューアルの理由は使用パーツが入手困難になったため。ただ音は出来るだけ変えないようにしたいとのこと。蛇足ですが音を変えないのはあくまでサウンドデザイン的な意味であって、現行モデルの音の再現が不可能という意味ではありません。


2.雑感
私は味付けが少なくニュートラルなアンプとして、MSA-1(MBA-1)、HPA-20、Ultra Desktop Amp(BUDA) を推します。この3つを比べて見るとこんな感じになります。


柔 MSA-1 ⇔ HPA-20 ⇔ Ultra Desktop Amp 硬

← ナチュラル  ニュートラル  モニターライク →


基本的にどれもニュートラルなのでそれほどソースは選びませんが、どちらかといえば生楽器のMSA-1、電子楽器のUltra Desktop Amp、どちらもイケるHPA-20、と言えるかもしれません。ただし、たとえばやさしいシンセパッドが聴きたいならMSA-1、シリアスで緊張感溢れるバイオリンが聴きたいならUltra Desktop Ampが適しています。実際にはジャンルよりも音の鳴り方で選んだ方が失敗は避けられると思います。

私は既にUltra Desktop Ampを所有しているのもあってMSA-1を別途購入して二台体制でいく予定です。けれども、もし新規にアンプを探しているのならHPA-20をお勧めします。雑多な音楽を好み、そのどれをもしっかりと聴きこみたいならHPA-20一台でこと足りるのではないでしょうか。

P.S. そういえばイタリアはRudistorのブースにいらしたRudyさん?が疎外感丸出しでかわいそうだった:( ところで今Rudistorの代理店あったっけ?

2009年10月9日

Sennheiserのニューモデル HD448はマストバイ?


" Very, very good, well balanced sound. " - HeadRoom


HD448がHeadRoomのレーティングで5点満点をマークしています。
ちなみに今までに5点がつけられたヘッドホンは、HD650やK701などリファレンスとして認められているものばかり。商品説明を見ると、HD448はかなりバランスが良く、かつ楽しく聴けるような音作りの模様。また、言い換えると欠点ともとれるようなキーワードもありませんでした。これは期待できるんじゃないでしょうか。

2009年10月6日

HD800 In My View




HD800は現状で最もナチュラルなサウンドを持ったヘッドホンです

A.
従来のヘッドホンの特徴として主に頭内定位があります。これを好意的に捉えるならば歌い手や楽器そのものが脳内でホログラフィック再生されているかのような感覚を得られるということでしょう。しかしながら誤解を恐れずに言えば、頭内定位は脳内で視覚化された嘘臭い虚像でしかないということもまた事実ではないでしょうか。

HD800はこの問題ををほぼ完璧に解消しています。

HD800の凄いところは、いま目の前で鳴っている音の再現能力です。
楽器奏者の演奏や歌手の歌声が"聴こえてくる"

現実離れした分解能や明瞭さ、ソースを問わず艶やかで美麗な音色。
そういった音から最も遠い存在。それがHD800です。

HD800の解像度は本当に低いのか。
音像が明瞭かつ鮮明か否かだけで判断するならたしかに最高とはいえません。
ただ音の動きというか、ニュアンス表現の上手さは相当なもので、"聴こえてくる音"の枠の中ではハイレベルな解像度が達成されているのではないでしょうか。

HD800の音は遠いのか。
現実の音は頭の中には存在しません。
自分自身が発する音を除く全ての音は外部から放射されます。
そしてHD800は目の前にある空気振動を再現します。

HD800の低音は少ないのか。
周波数特性を見てみると下まではっきり出ていることが分かりますが
聴感上少なく感じるのはHD800の低音の鳴り方によるところが大きいからといえます。
これはコンセプトによるところも大きいのでしょうが、あまり指向性を持つ低音でないことは確かです。ただ個人的にはこれを短所だとは思いません。制動力自体は高いですし、必ずしも締まりきった低音がベストとはいえないからです。

HD800は目の前の演奏を再現するヘッドホン。
囁かれている不満のほとんどは、HD800がヘッドホンらしからぬ音を聴かせるヘッドホンであることに起因するのではないでしょうか。スピーカー、もしくは生演奏そのものにどこまで近づけるかという点においては、HD800は自然な音色、リアリティの高い聴こえ方、その両方で従来とは一線を画するヘッドホンです。


B.
ここまでかなり持ち上げてきたHD800ですが、個人的にはいくつかの短所があります。まずオールマイティーか否かでいえば、ちょっとどうかなぁというのが本音です。

・全ての音楽で必ずしも"自然な聴こえ方"が求められているわけではない。
たとえばクラシックやジャズ、また他のジャンルでも、空間を感じさせる良質なソース全般では、HD800の長所をフルに生かした素晴らしい音楽を聴かせてくれます。

逆にポップスなんかによくある平面的なソースでは薄っぺらさが目立ちます。
また良くも悪くも、音がダイレクトに脳に放り込まれるような感覚には欠けます。
これはロックやテクノの面白みを著しく低下させる可能性があるものです。
先述した低音の鳴り方も、この手のジャンルに必要な"キックでリズムを刻む音"には合いません。

・5kHzの過剰なブライト感
HD800は"チーン"とか"リーン"といった鈴系の音をとても明瞭に表現します。
一聴するとこのリアリティの高さには驚かされます。
ただよくよく聴いてみると、他の音と比べて明らかに浮いている印象があります。
なんというか不自然に際立っているのです。

もちろんこの特性は他の金物にも適用されますので、シンバルやハイハットの裏打ちなどで耳障りに感じる人もいるかと思います。目立つんだけど決して爽快ではない鳴り方といえば分かりやすいのではないでしょうか。


C.
:D
・HD800は音が聴こえてくるヘッドホン
・前方定位
・解像度はかなり高い
・ニュアンス表現に非常に優れている
・定位感に非常に優れている
・空間感に非常に優れている
・音の立ち上がりが速い
・中域はナチュラルで癖がない
・ナチュラルな音色は声や楽器を魅力的に響かせる
・得意ジャンルは主にクラシック、ジャズ
・実は空間系エレクトロニカなんかにも好適正
・音が溶けすぎず浮きすぎずの高バランス
・最適なソースでは120点の音楽を聴かせてくれる
・(良い意味で)無難じゃない

:|
・5kHzに特徴的なアクセント
・低域の指向性はやや低め
・低域の量感も聴感上やや少なめか
・環境の影響はかなり受けるように思う

:(
・オール80点みたいな音じゃない
・ハイハットの裏打ちが耳障り
・ジャンルを選ぶ


D.
以上、全て私見です。
私はHD800はオールマイティでも無難でもないと思います。
従来のヘッドホンと比べると極めて特徴的な鳴り方です。
D7000でよく言われている、普通であることがある意味個性、
なんて音とは正反対だと言いたいくらいです。

この部分は他の方のインプレ・レビューと比べると真逆な気がしますが
そのへんは人それぞれということですね。

とにかくこれ一本持っておけばなんでもバッチ来いってヘッドホンではありませんでしたが、この方向で最高峰のヘッドホンを求めているなら買いですね。使い分けをするにしても必ず出番があるであろう音でしょう。

ちなみにエレクトロニカ系統だと、BTの Firewater なんかは"世界"を感じさせる音でよかったです。今更 E.S.C.M かよなんて言われるかもしれませんけど:P

2009年10月5日

HeadRoomで15%オフセール実施中? 現地時間10日まで




Head.fiのスポンサーフォーラムによると、オフィシャルページリニューアル & CanJam at RMAF 記念ということで、現在15%オフセールを実施中のようですね。(RMAF = Rocky Mountain Audio Fest)
残念ながらHD800やGradoなど一部製品はディスカウント対象外となりますが、HeadRoomのアンプを考えている方にとっては今がチャンスではないでしょうか。

BUDA、UDAC、DPSのセットなんかは$350くらい安くなる計算です。
これで内外価格差の大きいGradoも含まれているならなぁ;;

ただ唯一にして最大の懸念事項がありまして、割引を受けるにはHeadRoomへ電話しなければならないとのこと^^; その際にマーケティングに関する簡単な質問があるようです。

実は以前にも似たようなプロセスのセールがありまして、その時はメールによるやり取りでも大丈夫だった気がしたんですが、うーん、今回はどうなんでしょう。

興味がある方は sales@headphone.com へ質問してみてはいかがですか。
※セールの詳細はこちらになります。メールをする前にまずは一通り確認することをお勧めします。

I am a pen :(