
About Ultra Desktop Amp
このアンプは、アメリカ モンタナ州に位置するガレージメーカー
"HeadRoom"によるものです。
HeadRoomの製品群はポータブル向け、デスクトップ向けなど、用途に応じていくつかのラインに分けられています。
そしてこのUltra Desktop Ampは、据え置き系シングルエンドアンプの現行における最上位機種となります。
音質について話をする前に
Desktop Lineのラインナップがどのように差別化されているのか確認します。
これらの中で最も手軽なアンプは$699からとなりますが
増幅部の変更やDACの追加、またバランス化させるか否かによって
最終的には$1,699まで値段差が広がります。
音質の差、また違いについては私自身で全てを確認したわけではないので比較はできませんが、値段差に応じて内部のコストも順当にアップしているのは事実のようです。
しかし、各所のレビューなどを見た限りでは
どのアンプでも"HeadRoomの音"であることには変わりないようで
とりあえずこのメーカーの根本的な音作りを楽しみたいのであれば
必ずしもハイエンドを選らばなければならないというわけではないと思います。
話を戻します。
それではUltra Desktop Ampはどう位置づけられているかということです。
このアンプはHeadRoomの現行製品の中で、最高レベルの音質と利便性を兼ね備えた複合機と言えます。
というのは、1chにつき4つの"Burr Blown OPA627"が使用されたMaxモジュールと、Benchmark DAC1にも採用されている"Analog Devices AD1896"が使用されたMax DACを搭載している上に、個体もどちらかといえばコンパクトであるという理由によります。
また同社スタッフによれば、オプションの電源ユニット
"Desktop Power Supply"を追加すれば
音質的には、かの有名な"Home(Max) Amp"と同等であるとのことです。
上記の電源ユニット(DPS)は
かつての"Home(Max) Amp"の電源部を分離したものです。
HeadRoomでは、低消費電力ではあるがクラスA動作をするアンプに対しては
このDPSの使用を推奨しています。
以下の感想もDPSと組み合わせた上でのものとなります。
1.音質
このアンプの音を端的に表すと、Music To Goでも言われているように
「力強くハイスピードで解像度が高い」といった印象に尽きます。
あちらのBalanced Desktop Ampとは駆動方式もモジュールも異なりますが
大まかな部分はささきさんの感想と全く同じです。
これは各メーカー固有の音ということが影響しているのでしょう。
それでは、複合機としてのUltra Desktop Ampが
具体的にどういった音なのかをより詳しく見てみます。
まず感じるのは、SN比が非常に高くノイズ感が一切ないという点です。
音像は鮮明かつ輪郭がはっきりしていて
いわゆる"漆黒の背景"とか"無音の空間から音が浮かび上がる"という表現は
一体何を意味しているのかという疑問を払拭します。
解像度が高いということで音はとても滑らかで歪み感を感じさせません。
力強いというと荒々しさがあるのではとも思えますが
これは音の制動性が高くダイナミックな鳴り方をすることに起因するもので
実際に聴いてみると、むしろ端正でしなやかという印象も残ります。
全体的な印象として、硬さ・やわらかさ、温かみ・冷たさに偏ることはなく
ピアノの高音部、中高域よりの打楽器、ディストーションギターなど
ソースが本来持つ刺激ははっきりと表現しつつも
それらに支配されてしまうということはありません。
言い換えれば、ボーカルの声が擦れていても刺さりや痛みを感じさせないということです。
マスキングではなく、滑らかさによって痛い音を聞かせないようにしているので
美味しい音を削ることなく不快な音を出さない事が達成されています。
一聴してモニター系の音だと判断する人もいると思います。
けれども、先述のように音それ自体は特に無機的だとは思いませんし
どちらかといえばニュートラルに感じます。
ただ、解像度が高く鮮明ではあるのですが
この鮮明というのは芯がはっきりしているという意味で
青空のような明るさということではないので
突き抜けるようなクリア感を求めている人には合わないでしょう。
また、このアンプはソースに収録されている音をこれでもかというほど出し尽くすので、不意に入ってしまったと思えるノイズなども全て聴こえてしまいます。
すなわち、どのような音もはっきりと再生するが故に
微小音のディテールを確認せずに、これらがノイズの一種であると誤認してしまうケースもあるということです。
そのようなことから今まで聴いてきた音楽と違うものに聴こえてしまったり
することがありますが、これは良くも悪くもトレードオフという事になるでしょう。
私見では特にジャンルに得て不得手はないと思います。
生楽器、電子楽器、声問わず魅力的に鳴らしてくれるのではないでしょうか。
しかしながら、アンプの段階で響きや艶を与えているようには見えませんので
ヘッドホンアンプにも開放感や温もり、くつろいだ音を求めている人は
他の選択肢を探した方がいいかと思われます。
2.外観
デザインとして高級感はありませんが
質感や手触りなどは良く、品質の高さを感じます。
フロントとリアを囲っているブラックウレタンも
いいアクセントになっていると思います。
個人的には無骨すぎず、華美すぎずのこのデザインは好きです。
3.使用感
入力はアナログ2系統、及びデジタルはコアキシャル、オプティカル、USBと
大抵の環境では不便に感じることはないと思います。
ボリュームはアルプスのRK27を使用しているようで操作感は上々。
逆にスイッチ類は小さすぎて扱いにくいです。
ただ、それほど頻繁にいじるものでもないので気にはなりません。
ジャックは標準とミニを備えていて変換プラグの必要がありませんが
人によっては逆に懸念事項かもしれません。
またプリアウト端子を持っているため
プリアンプとしてスピーカー環境を構築する際には手助けになるかもしれません。
ウレタン縁はしっかりとした滑り止めをかねています。
4.雑感
・個人輸入について
現在、国内にHeadRoomの代理店がないため購入は個人輸入に限られます。
カート方式の採用や会社の信用度が高いことからとても安心して取引が出来ます。
支払いはクレジットカードかPaypalとなり、商品代金と送料が合計金額となります。
送料は$30から$100程度で、後述のセットですと$70くらいかと思われます。
配送業者はUPSで、発送からだいたい5営業日以内には到着します。
受け取りの際に消費税がかかりますが、関税はありません。
・パッケージシステムの勧め
HeadRoomには、まとめ買いによる割引制度があります。
たとえば今回紹介した
Ultra Desktop Amp + Desktop Power Supply + AKG K701
という内容の"Serious Audiophile Package ($2,149)"の場合
おまけとしてK701がついてくる程度にディスカウントされていて
かなりお得だと思います。
・対応、サポート
メールによる対応は迅速な場合が多いです。
ただし、購入相談や発送など、修理以外の全ての用件は"email Sales Dept"へ
修理や本体についての相談はについては"email Technical & Repair Services"にContact Usよりコンタクトしましょう。
5.んで、これは買いなの?
アンプ単体で$1,599なんで多少の為替変動があったとしても
m902を国内で購入するよりは安いですね。
音色的にも特定域の強調感がなく、芯のある迫力を楽しめる割には
キツさを感じることもなく聴き疲れもしにくい優れた音作りなので
楽しくリスニングできる範囲内で、やり過ぎない程度に高域が目立つ
m902とは良い意味で比較対象になるでしょう。
(m902はルックスも良いですしね)
主な理由としては、基本性能の高さに差異を感じないということ
どちらもオーディオ的な範疇で"モニターより"とされていること
DAC内蔵の複合機であるいうことによります。
また、入手するには個人輸入が必要かつ、日本語の情報が少ないということで
興味はあるけど購入までは、という人もいるかと思います。
しかしながら、HeadRoomを含むアメリカの会社には
30 Day Guaranty という30日間お試し制度があるので
仮に気に入らなかった場合でも送料の差額のみで
トラブルなく円滑に返金に応じてもらえます。
また初期不良や到着一ヶ月以内の故障は往復の送料含め
追加コストなしで良品と交換できます。
実際、いままでに聴いてきたアンプの中ではこれが一番好きです。
(SA-17S1、AT-HA2002、SXH-2などを使ってました)
結構いいアンプなのでより多くの人に興味を持ってもらえたらと思います。
ちと高くなるけど専用電源とセットがお勧め。

